青春のアレとjazzmaster
誰しもが16,7のころの自分を振り返ると恥ずかしくてたまらない気持ちになると思うし、御多分に洩れずこの俺もそうだ。 デパートにある飲食店で時給600円のバイトをせっせとこなして買ったBOOWYの布袋モデルの廉価版のさらに廉価版ショップオリジナルギターを担いで黒ずくめの格好でコピーバンドをしていたという、たったこれだけのことでせせら笑い出るレベルでアレだ。 世はバンドブーム。 市内で多くないライブスペースにはコピーバンドがいっぱい集った。 対バンが5組にもなればヒアリングして、同じバンドのコピーなら曲が被らないようにしたものだ。 そんな中、主催者の手伝いで1学年先輩の控室に行き 「すみません、今日何演るんですか?」 とちょっと業界人ぽく聞くのもまあアレだがかっこつけて聞いてみると 「んーStreet Slidersとオリジナル」 みたいな渋い答えとともにハードケースから水色のギターを取り出した。 ギターに関する自分の知識と言えば、パンクスはレスポール、ビート系はテレキャスター、ジャパメタはオリジナルシェイプの尖ったやつ、初心者セットのストラトキャスター。 相当偏ってるのもやっぱアレだが、まあそのどれとも違う少し小ぶりのシェイプと多めのスイッチ。 「なんてギターっすか、それ」 「これはFenderのjazzmasterだよ」 ジャズマスター。 「ジャズやるんすか?」 「名前だけだろ」 日本独特のビートロック系の簡単にノリノリのバンドが出来ます的な音楽ばかりだった自分にジャズとかブルースとか小難しく「頭の固い音楽」というイメージがついていた自分の頭の中はやっぱりアレだが、そのギターのシェイプと名前だけは俺の脳裏になぜか焼き付いた。 軽くチューニングを合わせると、自分の聴いたことのないフレーズをサラリと弾いて 「触ってみる?」 と差し出してくれたが、その上手さといかにも高そうなギターを前にヘタレてしまった俺は 「いや、いいです」 とせっかくの申し出を断った。 その後もその先輩は俺のギターの師匠とバンドを組んだり、その練習に俺が何故かドラムを叩いたりと何かと縁はあったが、jazzmasterだけは最後まで触らなかった。 30年の時が経った。 今にして思うと、ひとめぼれだったのだろう。 そして同時にアレである自分にとっては、高...